運送業界の分岐点に立って


最近、運送業界にとって大きなニュースが立て続けに報じられました。一つは「トラック新法」の成立。もう一つは「日本郵便の不適切点呼問題」による運送事業許可の取り消しです。
これらの出来事は、真面目に法令を守り、日々の業務に真摯に取り組む運送会社にとって、ある種の安心感をもたらすものでした。
努力を怠る事業者には厳しい措置が取られるという流れが明確になり、背筋が伸びる思いもしています。
一方で、国としては基準を満たさない企業を速やかに市場から退場させ、生産性を高める方針であることも読み取れます。人口減少と人手不足が進む中では、効率的な経営を実現できる企業への再編は合理的とも言えるでしょう。ですが、この流れは、中小企業にとって非常に厳しい現実を突きつけるものでもあります。
今後、中小企業が生き残るためには、単にコストや効率だけで競うのではなく、「選ばれる理由」を創り出すことが重要です。例えば、地域密着のきめ細やかなサービス、高い柔軟性、働く人の誇りとやりがいを育む企業文化など、大企業にはない価値をどう提供していくか。それがこれからの経営の大きなテーマになると考えています。
時代が大きく動く今こそ、私たちは自社の在り方を問い直し、未来を見据えた経営を進めていかなければならないと感じました。